artist: Kendrick Lamar ( ケンドリック・ラマー )
song: “Blacker Than the Berry,” “Alright” ( ブラッカー・ザン・ザ・ベリー、オーライ )
choreographer: Charm Ladonnna & Fatima Robinson ( チャーム・ラドンナ、ファティマ・ロビンソン )
「なんでAlbum Of The Yearがテイラー・スウィフトなんだ!?」
「今こそ怒る時だ、カニエ!」
「テイラー・スウィフトがAlbum Of The Yearをとれてビヨンセがとれない世界に生きてることがイヤ」
などなど、特にアーバン寄りの音楽ファンからはのきなみ怒涛の不満が噴出したGrammyのAlbum Of The Year部門。日本語にすれば年間最優秀アルバムといったところでしょうか、多くの人にとってはケンドリックの“To Pimp A Butterfly”こそがその名にふさわしかったのでしょう。
実際、グラミーでのライブパフォーマンスでも、本当に強烈なステージングを見せたケンドリック。その演出、振付けはチャーム・ラドンナとファティマ・ロビンソンによるもの(※アメリカの振付け現場の舞台裏を知るダンサーから「ファティマは具体的な振付けはしない」とのタレコミがありまして、チャームが中心になったものと判断しました)。
囚人姿のケンドリックとダンサー達が、krump、bruk upスタイルの動きを見せるシンプルかつパワフルな“Blacker Than The Berry”と、本当の炎を背景にアフリカ系のルーツを打ち出した“Alright”。どちらも、言葉に力を込めて伝えようとするケンドリックのラップと、それをサポートするダンサー、バンドのエネルギーが画面越しでもぶつかってくるような、室温が上がっているように感じてしまうパフォーマンス。間違いなく今回のグラミー賞のハイライトでした。

ちなみに、ケンドリック・ラマーの“I”というビデオでもチャーム&ファティマの振付けによるダンスが使われています。冒頭のみんなが同じ踊りを踊り始めてついていくシーン、クラブでのセッション好きならニヤリとしてしまうところですね。