静的ストレッチがダメなら、ウォームアップに何をするの?

運動前の静的ストレッチはケガ予防・パフォーマンス向上に効果がない、という話を書きましたが、では、代わりに何をすればいいの?となりますよね?

その手法をいくつかご紹介しますが、まずは王道の動的ストレッチから取り上げましょう。

「ダイナミック・ストレッチ」という呼び方もある動的ストレッチ、ランナーのケガ防止など、スポーツの方面では既におなじみです。

バレーボール日本代表ウォーミングアップ

↑だけでもいろいろな動的ストレッチが登場しますが、続いて下の動画も見てください。この動画は、女性が運動する際、男性の8倍も傷める可能性があるというヒザの怪我、ACL(前十字靭帯損傷)を防ぐための動的ストレッチのセットです。かなりの種類と長さがあるので、全部やるのは現実的ではないですが、自分のダンスの基礎練習と組み合わせてアップに取り入れるとよいでしょう。

  • ヒザを胸に
  • 足をつかんで反らす
  • ハムストリングキック
  • ランジ
  • 膝を曲げて尻をキック

などは特に取り入れやすいのでは? 実際にやってもらうと分かりますが、股関節周りの大きな筋肉を動かす分、身体を温める効果も大きいのでおすすめです。この動画のように移動するスペースが取れない場合は、その場でやっても十分に効果を実感できます。

大事なのはこれらをセットでやることで、身体が温まること。ダンスは全身を使いますが、特に体幹を重視して温めておけば、自然に手足も温まります。ダンスの練習に取り入れる上では、より楽しくやるためにも軽いリズムどりを交えてやるのがよいと思います。

簡単な例をあげれば、

  • オンビートのダウン 4☓8 (太ももを使います)
  • 足をつかんで反らす 4☓8 (太もも前を伸ばします)
  • オンビートのアップ 4☓8 (太もも、おしりを使います)
  • ヒザを胸に 4☓8(太もも、おしりを伸ばします)

といった感じ。この段階でのリズムどりはあくまで軽めにして、身体をひととおり動かしてから、深めのダウンやジャンプまで含むアップにしていった方がよいでしょう。さらに可動範囲を大きくしたい人は、練習・パフォーマンスを終えた最後にこれまでの静的ストレッチをすると、当初の期待に近い回復力アップなどの効果があることもわかっています。

ということで、ぜひ動的ストレッチを練習ルーティンに取り入れてみてくださいね!

ABOUTこの記事をかいた人

とにかくクラブで踊るのが好き!という自分の趣味をそのまま仕事にしたライター、編集者、コーダー。 ダンス雑誌『Dance Style』(リットーミュージック、現在は休刊)で編集やDVDシリーズ9本の監督を務める。音楽方面では渋谷のナイトクラブshibuyaNutsで広報・メディア制作を担当。