[訂正あり][音符をダンスで表現してみよう] その2: スタッカート

ちょっと間が空いてしまいましたが、「音符をダンスで表現してみよう」シリーズの第2編として、「スタッカート」を取り上げます。

>> 「[音符をダンスで表現してみよう] その1: 4分音符、8分音符、16分音符」
>> 「[音符をダンスで表現してみよう] その0: イントロ」

コレね。
Staccato_E.svg

(下についてる↑「点」のことですよ!)

アルファベットでは“staccato”と書くおなじみの、「短く」というアレ。正確には「音を切り離して」というニュアンスだそうで、長さを指定するよりも前後の音と「区切る」ことが重要なんですね。

ストリートダンスというのは全体に「鳴っている音」をなぞることは多くても、それに加えてこういう表情の部分が意識されることはあまりないように思います。でも優れた踊り手はたいていその表現が見事なもの。そこに向かう手始めとして練習するにはこれはとてもいい音符でしょう。

スタッカートの表現には、当然、歯切れの良い動きが求められますが、これもいくつか例を挙げてみます。

まずいちばん最初に思いつくのは、胸を弾くChest Poppingです。というわけで、またしても我らが教科書Mr. Wiggles(ミスター・ウィーグルス)の登場してもらいましょう。


はい、キックドラムの音を見事に表現する胸の動き、背中を反らすことを意識しながら一気に胸を張り、一瞬で戻す。正確に言えばスタッカートというよりもドラムのような鋭い音にぴったりですが、まずわかりやすさ重視ということで。

続いては体全体でハネる動きです。
Mariah Carey “Just Be Good To Me (live cover of S.O.S. Band)” 1996


エリートフォースの面々が多数参加したツアーの東京公演から、このビデオの6分すぎに登場する跳ねる動き。カッティング・ギターの音を意識したのかと思われます(あくまで推定)が、これは当時の日本人もこぞって真似したムーブのひとつ(しかしいま見てみるとほんのちょっとしか映りませんね……)。

そしてレゲエでは、このビデオの2:15過ぎに登場する男性三人のステップ(一瞬ですが)のような、片足を踏んですぐハネあげるステップがあります。
Sean Paul “Temperature”


レゲエを基点に濃いダンスを見せてくれるダンサーYacheemi氏に聞いたところbatman forwardという名前だそうで、もともとは名前の通り「前に進む」趣旨だったようです。[2016.05.23訂正]ハウスのステップにもこういう取り方がありますが、跳ね返すことで音を取る/区切るので、とても印象に残ります。

この他にも

  • 当然ながらhit/pop(poppin’)
  • リズムどりなど繰り返す動きの中で、動く時間を短くする
  • ウェーブの山を区切って部分部分をハネさせる
    staccato

などいろいろと思いつくわけですが、「オレの名はスタッカート!」という方を紹介してとりあえずのシメとさせていただきます。

スタッカートというか、連打というか?

[訂正追記] ショーン・ポールのビデオに登場するムーブについて、Yacheemi氏から訂正が入りました。

ということで、この動きはBadman Forwardではありませんでした。 m(_ _)m
ちなみにかなり粗いですが、Badman Forward Badman Pullupはこちらです。
badmanfp

過去記事もどうぞ。
>> 「[音符をダンスで表現してみよう] その1: 4分音符、8分音符、16分音符」
>> 「[音符をダンスで表現してみよう] その0: イントロ」

ABOUTこの記事をかいた人

とにかくクラブで踊るのが好き!という自分の趣味をそのまま仕事にしたライター、編集者、コーダー。 ダンス雑誌『Dance Style』(リットーミュージック、現在は休刊)で編集やDVDシリーズ9本の監督を務める。音楽方面では渋谷のナイトクラブshibuyaNutsで広報・メディア制作を担当。