artist: Chet Faker, Marcus Marr ( チェット・フェイカー、マーカス・マー )
song: “The Trouble With Us” ( ザ・トラブル・ウィズ・アス )
choreographer: Hód Adrienn ( ホード・アドゥリアン )
director: Kinopravda (キノプラウダ)
昨年末、こっそりと?公開されたチェット・フェイカーとマーカス・マーによるミュージック・ビデオ。恋をした人にはなにかしらひっかかるだろうとても印象的な群舞作品になっているので、ぜひ見てみてください。
オーストラリアのシンガー、チェット・フェイカーは以前も紹介していますが、ダンスに絡んだビデオの多いアーティスト。アメリカのダンサーが中心でしたが今回はぴょーんと飛んでヨーロッパは、ハンガリーの首都ブダペストで撮影されています。ロンドンの写真家のJeremy Goold (ジェレミー・グールド)が制作、映像監督はスペインで活動するロシア系中心の映像制作グループ、Kinopravda。
恋愛の夢の様な部分だけでなく、「トラブル」の部分も含めて描き出す歌とぴったりくる内容を、ノスタルジーに包み込む撮影と編集。本当にいろいろな要素まで作りこまれています。
その郷愁を漂わせるのに、ブダペストの大きなスタジオでセットを組み、16mmフィルムで撮影するという、昔ながらの映画的な撮影手法が効果大。振付けとカメラワークを結びつけるという昨今の当たり前になってきた演出も素晴らしく、シンプルな動きひとつに意味を持たせつつ、それを複数のカップルで繰り返すことでダンス・ミュージックの躍動感を出すというのもお見事。
振付けのホード・アドゥリアンはハンガリーで活動するコンテンポラリーの舞踊家・振付師で、HODWORKSカンパニーで舞台を作る一方、CMなどでも活躍しているというダンサー※。またKinopravdaは以前にも「高すぎるハイヒールで歩きながらグキッとなる瞬間」を集めてビートを表現したというミュージック・ビデオも制作していることから、Kinopravda側も振付けを意識した制作をしているようですね。今後も要注目です。
Yvein Monq “TWUN” directed by Kinopravda
※余談: Hódが姓で、Adriennが名。我々、アジア圏の大半と同じく、ハンガリーは姓が先になるんですね!