[音符をダンスで表現してみよう] 番外編: ダンサーはなんで8カウント数えるの?

ダンスを最初に習った昔から不思議に思っていたこと。
「音楽としてみると4カウントで1小節なのに、なぜストリート・ダンサーは8カウントを1単位として数えるのか」という疑問。

「音符を踊りで表現してみよう 1」で取り上げたように、普通ダンサーが言う「1カウント」(1拍)は4分音符(の長さ)です。「4分」というくらいなので、4カウントで1小節になります。ところが、ダンサーは”one, two, three…eight”まで、つまり2小節分をひとかたまりと数えることがほとんどです。

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調べてみたところ、ストリートダンサーが踊る音楽の多くが「エイトビート」を使っているのですが、これは「1小節で8つのリズムを刻む」というパターンの名前で、ダンスのカウントとは関係がないようです。

また、クラシックより多様なリズムで踊る必要があるバレエでは、譜面に即した形でカウントする上に、さらに「音楽的」であることを重視する人の間では、「音楽を感じていなくてもカウントを覚えて機械的に動くだけで踊っているように見えてしまう」という理由で、カウントを取ることに否定的な風潮まであるようです。これはペアダンスの世界で言う”mickeymousing”やbreakin’での「音ハメ批判」と近いですが、カウントをとらないというところまで行くと、より明確ですね。

僕は音楽関係の取材などもよくやっていたので、ときどきミュージシャンにも「ダンサーは8カウントを基本単位として数えるんですが、なぜだかわからないんです。何か知っていることはないですか?」と質問していました。でもまだはっきりした答えに出会ったことはありません。

ダンサー側では、Elite Force/Dance FusionのTerry Wrightに質問してみましたが、彼も知らないと言っていました。ただ、彼なりの推測では、「ミュージシャンよりダンサーの方がより長いフレーズを必要とするから、4カウント1小節だと収まりきらないからじゃないだろうか」とのこと。

ネットでは、Yahoo知恵袋的なサービスで、回答者のキャリアも表示してくれる英語の質問サイトQuoraでも質問してみました。
“Why do hiphop, house and other styles’ dancers count 8 counts with 4/4 rhythm?”

長く社交ダンスを踊っているというGeorge Huestisさんがお答えをくれたんですが、要約すると「情感を重要視するために、小節単位ではなく8カウント、場合によっては自分の好きな長さで区切ってカウントするものだ」ということでした。でも「情感を優先するならそもそも数えないで音で踊れ」というバレエの話を思い出しちゃったりもするのですが……。

また、その他にも検索したところ、Lindy Hopというダンスのなかで”8 beat”という言葉が使われていて、8カウントをとる取り方があったという話が出てきます。

余談ですがリンディホップではこの映画のシーンが有名! ものすごい身体能力に圧倒されますね。


でもこれ、8カウント数えているんでしょうか……?

というわけで、今回はすいません、疑問の答えは見つかっておりません!
何かご存じの方がいたらぜひ、メールやSNSでご意見いただければ助かります!!

ABOUTこの記事をかいた人

とにかくクラブで踊るのが好き!という自分の趣味をそのまま仕事にしたライター、編集者、コーダー。 ダンス雑誌『Dance Style』(リットーミュージック、現在は休刊)で編集やDVDシリーズ9本の監督を務める。音楽方面では渋谷のナイトクラブshibuyaNutsで広報・メディア制作を担当。